AIと音楽の力で、誰もが音楽を楽しめる未来へ
AlphaTheta、国際ハッカソン「Music & AI Hackathon 2026」に協賛

「Chordcat」を活用し、認知症の高齢者が音楽づくりに参加できるソリューションが総合1位

AlphaTheta株式会社は、2026年9月11日から13日にオーストリアで開催された国際ハッカソン「Music & AI Hackathon 2026」に協賛しました。本イベントでは、音楽理論に詳しくなくても直感的に音楽制作を楽しめる自社のグルーヴボックス「Chordcat」の特徴を生かし、より多くの人が音楽づくりに参加するための方法を探る「Accessibility & Music(アクセシビリティと音楽)」を、独自のチャレンジテーマとして提示しました。「Chordcat」を活用し、認知症の高齢者が音楽づくりに参加できる仕組みを開発したチーム「Sound Flux」が、総合 1 位を獲得しました。

撮影:PratoPhoto

「Music & AI Hackathon 2026」について

「Music & AI Hackathon」は、オーストリアと日本の企業・研究者・学生・クリエイターなどをつなぐ国際プロジェクトです。2025年に大阪・関西万博のオーストリア館の関連企画として奈良県で開催され、2026年は、オーストリア・ザルツブルクで開催されました。今回は世界各地から 102 名が参加しました。

参加者は国際的なチームを組み、協賛企業などが提示した 6 つのテーマから 1 つを選択。AIや新たなテクノロジーを活用したアイデアの創出やプロトタイプの開発に取り組みました。最終日には各チームが成果を発表し、審査員による審査が行われました。

協賛の背景

AlphaThetaは「One Through Music – 音楽で人をつなぐ」をミッションに掲げ、DJ機器をはじめとする音響・音楽制作機器や楽曲管理アプリケーションなどの製品・サービスを通じて、音楽を楽しむ人や表現する人の活動を支えています。また、サステナビリティに関する取り組みにおいても、「多様な人に音楽を楽しんでもらえる機会」の創出をテーマの一つに掲げています。
こうした考えのもと、2026年6月からは、英国バーミンガム大学および英国の慈善団体Drake Musicと、DJ機器や楽曲管理アプリケーションのアクセシビリティ向上に関する共同研究を進めています。
こうした取り組みをさらに広げるため、今回、外部のエンジニアやクリエイターの多様な発想や技術を取り入れながら、より多くの人が音楽を楽しみ、自ら表現できる方法を探ることを目的に、本ハッカソンに協賛しました。

関連リリース:
AlphaTheta、英バーミンガム大学とDJ機器のアクセシビリティ向上に関する共同研究を開始

AlphaThetaが提示したテーマと実施結果

当社は、サウンドデザインやインタラクションデザインを専門とする東京工科大学デザイン学部の松村誠一郎教授の協力のもと、「Accessibility & Music」を独自のチャレンジテーマとして提示しました。
本テーマでは、「Chordcat」を起点に、AIや新しいインターフェイスなどを活用し、障がいのある方や高齢者、音楽制作の初心者などが、より気軽に音楽制作や演奏、学習に取り組める方法を探りました。

このテーマには 4 チームが参加し、それぞれ異なるアプローチからアイデアを形にしました。松村教授は、メンターとして各チームの開発もサポートしました。以下では、そのうち 3 チームの取り組みを紹介します。

Sound Flux:認知症の高齢者が音楽づくりを楽しめるソリューション

「Sound Flux」は、思い出の写真を見ながら当時の楽曲をハミングすると、AIがその楽曲を推定し、「Chordcat」でコード進行を再生する仕組みです。さらに、首を傾けたり振ったりする動きでリズムを加えることもでき、楽器の演奏経験がなくても、身近な動作を通じて音楽づくりに参加できます。
ハミングを活用したアイデアや、プロトタイプの動作の安定性などが評価され、ハッカソン全体で総合 1 位を獲得しました。

撮影:PratoPhoto

Anoa:表情の動きでメロディを奏でられるアプリ

スマートフォンの顔認識機能を活用し、口をすぼめたり開けたりする動きでメロディが進行するアプリを開発しました。2 人で合奏することも可能で、将来的には表情筋のリハビリやトレーニングへの活用も構想されています。

Hack Street Bois:好みのコード進行から、楽曲や人との出会いが広がるSNS

好みのコード進行をもとに、同じ進行が使われている楽曲のYouTubeリンクを表示し、音楽の好みが似たユーザーを紹介するSNSを開発しました。音楽を始めたばかりの方でも、自分の好みに合った楽曲を見つけ、ほかのユーザーと交流できる仕組みです。

Chordcatについて

「Chordcat」は、直感的な操作でコード進行を組み立て、音楽制作を楽しめるグルーヴボックスです。2025年7月に発売しました。音楽理論に詳しくない方でも、コード進行の作成やメロディ、リズムの打ち込みなどを通じて、気軽に音楽制作を始められます。

主な特長は以下のとおりです。

  • 約 11 万通りのコード進行パターンから、次に合うコードを提案する「Chord Cruiser」機能
  • 設定したキーとスケールに合う音を鍵盤に割り当て、直感的なメロディ制作をサポート
  • 145 種類の音色と 16 種類のドラムキットを内蔵し、1 台で音楽制作が可能
  • 約 0.4 kgのコンパクトな本体で、単 3 形乾電池 6 本またはUSB給電に対応

東京工科大学 松村誠一郎教授からのコメント

今回のハッカソンでは、参加者がその場で結成した 19 チームのうち、 4 チームがAlphaThetaの提示した「Accessibility & Music」を選択しました。各チームは 24 時間という限られた時間の中でプロトタイプを開発し、最終日にその成果を発表しました。審査の結果、認知症の高齢者がAlphaThetaの「Chordcat」を使って音楽づくりに参加できるシステムを開発したチーム「Sound Flux」が総合 1 位に選ばれました。
ハッカソンではチームの開発速度や技術力に注目が集まりがちですが、チーム内のコミュニケーションや的確な議論、メンバー同士の化学反応、互いへのリスペクト、テーマに対する真摯な姿勢も、成果を生み出すうえで大きな役割を果たします。
AIを活用した開発であっても、最終的に「血の通った」プロダクトが生まれたのは「音楽と人」をテーマにしたハッカソンだからこそだと思います。

松村誠一郎教授 プロフィール:https://www.teu.ac.jp/academics/design/professor/information/02.html

「Chordcat」企画・開発担当 新規事業開発部 古谷 昭博からのコメント

電子楽器におけるアクセシビリティの向上は、業界全体で考えていくべき重要なテーマだと感じています。
電子楽器はさまざまな音や表現を生み出せる一方で、操作が難しそう、自分には使いこなせないといった印象を持たれることもあります。
私たちは、音楽理論の知識や演奏技術の壁を越え、より多くの人がコード進行を通じて自分の想いを音楽で表現できる楽器を目指して、「Chordcat」を企画・開発しました。こうした取り組みを通じて、電子楽器もピアノやギターのように、誰もが身近に感じ、気軽に音を鳴らしてみたいと思える楽器にしていきたいと考えています。

今回のハッカソンで「Chordcat」を取り上げていただき、私たちだけでは思いつかなかったアプローチやアイデアに触れることができました。このような貴重な機会をいただいたことに、心より感謝申し上げます。
今回生まれた発想を大切にしながら、より多くの人が音楽づくりや音楽表現を楽しめる可能性を広げていきたいと考えています。

「Music & AI Hackathon 2026」開催概要

イベント名:Music & AI Hackathon 2026
開催日:2026年9月11日(金)~13日(日)
開催地:オーストリア
会場:Berghotel Rudolfshütte
主催:オーストリア連邦産業院 Florian Bauer、Glovill
参加者数:102 名
公式サイト:https://music-ai-hackathon.com/